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映画「エニイ・ギブン・サンデー」。 クリスマスの深夜、WOWOWで鑑賞。 アメリカン・フットボールを題材にした群像ドラマで、政治色の強い作品が多いオリバー・ストーンにしては珍しいスポ根映画。しかし、人物描写がクドいくらい熱く男臭いのは相変わらず。そうしたクドさや、アメフトの迫力を再現しようと工夫した映像表現には賛否両論あるが、関西で学生時代を過ごしアメフトが身近にあった身としては、登場人物であるアメフトのコーチ陣、そして選手の強い連帯感と競争/闘争心、劇中におけるプレイなど違和感をそれほど感じることはなかった。 そして何度か観たこの映画で、ボクが何よりも印象に残っているのは、主演アル・パチーノ(アル・パシーノ?)のスピーチ。最初に観たときにやばいくらい鳥肌が立って、二回目にYNG宅で観たときには涙ぐんでしまったことを告白したい。 ・・・場面はプレーオフ出場のかかるアウェイでの一戦を前にしたロッカールーム。チームは勝ちきれないゲームが続いており選手達も団結しているとは言えない。そんな中、ヘッドコーチであるパチーノは、いつものように選手達に試合前のスピーチを行うが、自身も進退を含めた問題を抱えるパチーノのそれは、いつもの戦術確認と気合を注入するような内容とは異なり、半ば独白に近い雰囲気の中、フットボールと人生について語りかけることから始まる。 静かに始まったそのスピーチ。自身の体験を元に訥々と話すパチーノの言葉は段々と熱を帯びてくる。 "人生でもフットボールでも、我々が犯す間違いは気づかぬほど小さい。フィールドのあらゆる部分、人生のあらゆるところに存在する、たった1インチが勝負を分ける。我々はその1インチに全力を尽くす" 心の深い部分を鼓舞されるその内容に、変わっていく選手達の表情。パチーノは続ける。 "周りを見ろ!その1インチを共に戦う仲間がいる" 起ちあがって叫ぶ選手。そりゃそうだ。アメフトをやるにはあまりにキャシャーンなボクも起ちあがりたい!ボクも混ぜて~!と思ったもの。 思うに、アメフトに限らずコーチ、監督という立場にある人間にとって、組織のベクトルを瞬間的にあわせてパワーを最大化させる影響力を持つことは、戦術や選手起用に関する知見・決断力よりも大切なものかもしれない。 そして演説、言葉の持つパワーについても改めて考えさせられた。旧ナチスドイツ、そしてソ連共産党は「言葉による扇動」の効果を非常に大きいものと捉えていたそうだが、それは正しいのだろう。アル・パチーノのスピーチ、序盤は本当にパーソナルな内容を話すことから始まるが、「1インチ」という言葉が出てきたところから、急激にアメフトと人生についての取り組み方を語るフェーズに加速していく様が圧巻。当たり前だが、時制の不一致や文法的に曖昧な部分、付け足したようなフレーズなどセリフ回しのリアルさもお見事。観る者の心を掴む完璧な名演であったと言えよう。 とにかくボクにとっては「エニイ・ギブン・サンデー」は、この場面を観るためだけにこの映画はある。そして同じように感じる人は多いのか、Youtubeにはそのシーンのキャプチャ映像が。 ● Any Given Sunday - Peace by Inches とはいえ、真に感動するためには前後の流れあってこそなので、できれば映画全体を観ることをオススメしたい。 資料:セリフについて #
by cyberoptic
| 2006-12-27 12:42
| カルチャー
12月25日、めでたく誕生日を迎えた。いろんなことがあるが、年末でもあるし、まずは無事にこの一年を過ごせたことを感謝。未熟児で生まれて三十有余年、隠れメタボリックと嫁様に揶揄されるほどに体も大きくなり、腰痛を抱えつつもフットサルではまだまだ動けるこの健康に感謝。 しかしいつの間にか33ですよ。ゾロ目。アルファでいうならSUD?欲しいなぁBOXERアルファ。それにしても33歳ともなればもうすこししっかりしているはずで、仕事ではもちろん、家庭という組織の中でも大黒柱としてその要となっている予定だったのに・・・。まあよか。そんなしんみりした話は。 さて。クリスマスが誕生日なのでイブ&イブの週末は適当にのんびり過ごしました。23日はzorgの一周年記念パーティに出席後、知人主催の忘年会@中野新橋に合流し泥酔。あ、のんびりではないな。24日は夫婦で年賀状用の写真を撮影に行ったくらいで(もちろんGR出動だ)、夜はお家でゴハン。でもそのゴハンがちょっとだけスペシャル。 ボクは小学生時代から誕生日用のメニューが決まっていて、それは「ピラフ+ローストチキン」&「コーンポタージュ」&「フルーツ・ヨーグルト・サラダ」という、まさにお子様のクリスマスメニュー。そして結婚後も嫁様にはその組み合わせでお食事をお願いしているという、なにげにマザコンな一面を発揮している。 今年もリクエストに応えて(というか、実はボクは忘れていたんだけど嫁様がちゃんと準備をしてくれていた)、クリスマス用のちょっと豪華なランチョンマットに並んだそのメニューは、嫁様なりのアレンジも加わり、お袋の味ではないけれども、とても美味だった。美味しくて写真を撮っていないのはご愛敬。 加えて嬉しいことに、誕生日プレゼントまで!ボクは何かあげたいなーと思いながらも買ってなかったので、申し訳ないやら嬉しいやら。かたじけない。 モノは「EWEE(エヴェ)」というスペインのメーカーによるシガーケース。箱がクリスマスカラーで雰囲気バッチリ!そしてなめした革がとても綺麗!!センスいいね!! そしてケースだけでなくシガーも2本! モンテクリスト、大きさからするとNo.4かな。燃焼時間30分くらいの、木の実そしてハーブの香りがする、深煎りの珈琲と合う逸品だ。お正月の温泉旅行で一服させていただこうかな! +++ 実は嫁様からシガーグッズを贈られるのはこれで二度目。一度目はまだ付き合って一年くらいの誕生日で、その時はダビドフのシガー&シガリロとシガーカッター、シガーマッチ、そしてシガートレイのセットだった。嬉しかった。今でも取ってありますよ。 結婚と喫煙と言えば・・・昨今、結婚する友人&子供の出来た友人・知人が、自らあるいは外部の圧力によって禁煙を余儀なくされていることが多い。 もちろん、他人が「健康に良くない、他人に迷惑がかかる」といった自覚をもって禁煙するのであれば、それは大いなる決断だと思うし応援したい。目の前で吸うな、というリクエストがあれば積極的に応じる所存だ。 でも「cyberoptic家は?」と聞かれると・・・正直、今のところ全く禁煙する予定がないと言えよう。元々お酒を飲む時以外はそんなに吸わないし家では吸わないし。たとえば一週間吸わなく平気だ。だからこそ「辞めよう」「辞めなきゃ」とも思わないのかも。 それに今回のシガーをはじめ、嫁様は(今のところ)喫煙というか喫煙文化に理解があるみたいだし、そこはせいぜい甘えさせていただだきたいと思う。少なくともシガーはね。ああ、ゆっくり吸いたいなぁ。シガーの楽しみについてはまた別の機会に。 メッセージありがとうございました #
by cyberoptic
| 2006-12-26 17:13
| イベント
SONYの凋落が言われて久しい。実際に業績もふるわないし、ボクの周りでも「最近のSONYはもういい」と言う友人が少なくない。 かつてはボクも、というか我が家もSONY党だった。テレビは当然TrinitronだったしMSXはHitBit、ミニコンポはLIBERTYでWALKMANも家族あわせて5台あった。下の姉はバイクに「It's a SONY」ステッカーを貼っていたし、気の利いた贈り物はファミリークラブのカタログで購入していた。 現在は・・・全く食指が動かない。意識的に避けていると言ってもいい。目線を逸らすというか。「あれ?そちらにいらっしゃったんですか?」みたいな。米国在住の姉はいまだにSONY製品を多用しているようだが、日本に住むボクらはもう「SONYだから」という購買はしていないことは断言できる。 どうも相対的に魅力的な製品が少なくなったような気がする。 たとえばデザイン。やれ北欧やらミッドセンチュリーやら人々が日常的に素敵なデザインに触れる機会が格段に増えデザイン家電という言葉も一般的になっている現在、競争力は決して高いとは言えない。もちろんいいデザインもあるし(携帯電話のPreminiなんかは素敵だと思う)、大量生産が前提の世界的製造業であるから万人受けするデザインも必要だろうが、しかし「世の中を引っ張る」ようなデザインは感じられない。それにはもしかしたら先進的なデザインを可能にした技術力の低下も影響しているのかも。 そして常々思っているのが、CMを含めたコミュニケーションによってブランドを作るパワーの低下。その昔のSONYは、映像・媒体選択・キャッチコピー・音楽などあらゆるものが組合わさって、グローバルな「SONYらしさ」をボクらに(もっと)強くアピールしていたように思う(「パスポートサイズ」とかインパクトあったもの)。 技術力の低下を憂う人々からは「出井時代とともにソニーはマーケティング会社になってしまった」という声が上がっているようだが、元々マーケティング寄りというかプロモーションによるブランドイメージ醸成が抜群に得意な会社だったと思う。つまり、技術力をブランドパワーに変換することが巧かった。そしてそのCMは技術力を背景にしながらも、とても洗練されていて、子供時代のボクは「これが世界中で使われている製品なのかぁ」と憧れたものだ。 でも。思い出せない。ここ最近のSONYのCMは。いやくだらないのはあるよ。田村正和のとか。でもこう・・・何て言うんだろうか、心に響くってのかなぁ、無条件に「クール!」って言えるものがなくて。思えばそういったCMを見なくなってからSONYへの興味や憧れは胡散霧消し、身の回りからSONY製品が消え始めたような気がする。 (再び)でも。実はこんなことを思い出したのは、久しぶりにSONYらしいCMを見たから。「お、これSONYっぽい!」と膝を叩いたそのCMは、「ブルーレイディスクレコーダー」。チンパンジーがこっち向いてるやつ。 http://www.sony.jp/cm/blu-ray/contents/index.html #
by cyberoptic
| 2006-12-20 01:22
| その他
FIFA クラブワールドカップが終わった。 クラブ初の栄冠を目指して予定より二日前の来日など本気モードで日本に乗り込んだバルセロナFC(スペイン)だったが、南米王者インテルナシオナル(ブラジル)に0-1で惜敗。バルサファンのボクには残念だが、インテルナシオナルは強かった。王者の資格充分。 フットボールの内容について言えば、バルサの敗因は二つ。 まず、中盤のデコ、イニエスタがその真価を発揮できなかったこと。インテルナシオナルは彼らがボールを持つとバイタルエリアに直結するパスコースをことごとく潰すことで、バルサにゲームメイクの主導権を渡さなかった。クラブアメリカの敗戦を参考にしたのか、彼らを直接潰すディフェンスをしなかったのは賢い判断だ(どうせかわされてズタズタにされる)。 ロナウジーニョの速いステップインからのシュートやミドルレンジからのジオとシャビ、そしてデコのシュートなど、それでもチャンスは何回かあった。しかしキーパーの好セーブに阻まれて無得点。中盤の底がボールキープ、フィードに難のある潰し屋・モッタではなく、エジミウソンだったら、右サイドが疲れの見えるジュリではなく、中央に切り込めるメッシだったら・・・また違う展開になったかもしれない。 もうひとつの敗因は、バルサ特有のディフェンスラインの高さをパスではなくドリブルで付かれたこと。インテルの攻撃陣は、南米独特の(カカーのような)タッチの大きい速いドリブルでバルサのディフェンスを何度か置き去りにしようとしたが、そのせいでザンブロッタもマルケスも徐々に相手との間隔に余裕を持つようになり、結果、ボールを足元で受けてラストパスを出せるスペースを相手に与えてしまうことになった。 元々バルサのディフェンスフォーメーションは、キーパーと最終ラインの間に広大なスペースができる。ただ、マルケスやバルテスなど危険察知に長けた選手が揃っているため、縦パス一本で攻略することは案外難しい。しかしコルドバのような韋駄天がいないため、ドリブルで突っかけられるとカバーリングが必要になり前線の選手のマークが簡単にずれてしまう。 昨日の決勝は、そこをうまくついたインテルの作戦勝ちだった。負けないフットボール、バルサの良さを消し弱点をつくフットボールをピッチ上の全員がうまく実践できていたし、勝つべくして勝ったように思える。応援もすごかったし。 応援と言えば。 今回の中継は日テレでした。日本中の良識ある人が嫌いな(はずの)テレビ局による中継は、よくもまぁここまで、というくらい最近のムカつくスポーツ中継方法のオンパレード。作っている人々は、出演している人々は恥ずかしくないのか・・・。 百歩譲ってケミストリーも福沢も上戸彩もまぁいいよ。ゲームに関係ない時しか出てこないからチャンネル変えればいいんだもの。でも、あの中継は・・・実況、誰?鈴木健? 頑張って たぶん「箱根駅伝」だろう。選手が走っている間、その選手、学校にまつわる"感動の"エピソードを伝えることを最高の"実況"と考える、あの中継と同じ感覚で臨んでるんだ。野球ならそれでうまくいくかもしれないがフットボールはダメよ。エピソードとかいらんねん。あほちゃうか。 バルサが負けたことよりも、暗い気持ちにさせる民放地上波のスポーツ実況が悔しい。早く多チャンネルが当たり前の世界になって、ああいった輩が中継することがビジネス上も許されない時代になって欲しい。 #
by cyberoptic
| 2006-12-18 23:33
| サッカー
土曜日は久しぶりの手巻きの会。忘年会を兼ね友人7名を招いて延々8時間、飲んで食いまくった。 比較的頻繁に色んなヒトが訪れて飲食をしていくことの多い家ではあるが、今回は7名(+乳児1名)ということで、夫婦ともいつも以上に準備に気合いが入った。 お互い仕事が山積で、前日も深夜になってから買い出し&下ごしらえ開始。ボクは主に掃除と会場となるリビングのセッティング。仕事の疲れもあって最初はしんどかったものの、途中からだんだんハイになり、余計なところの掃除に時間をかけて怒られるボク。でもその成果あって、普段とは見違える部屋に。 手巻きの詳細は、唯一人ピンで参加したNのブログや嫁様が記しているのでここでは例によって割愛するが、皆が口一杯に美味しいものを頬張ってお酒片手に馬鹿話をしているのを見ると幸せな気持ちになるなぁ。しんどいけど「またやろう!」という気になるから不思議。やっぱお店やるかな。 そういった充実感も得難いものだが、自宅で飲み会を主宰するとほかにもメリットがある。 その一つは前述したように「家がきれいに片付く」こと。特に今回は大人だけで9名が飲み食いするスペースを確保したリビングはかなりすっきりした(普段、嫁様がヘンゼルとグレーテルのように部屋中に落としている綿棒も全て拾った)。いずれ日が経てばまた散らかってくるだろうが、一足早く年末の大掃除を終えた感じで一石二鳥? もう一つは「買い出しの楽しみ」。毎回色んな食材・お酒を用意するが、今回は手巻きでかつ大人数だったので買い出しの楽しさもひとしお。主な魚介類は当日の朝、御徒町の吉池で調達したが、こんな感じ(下記写真)でとても楽しい。 余談だが、魚介類の買い出しが肉系と比べて楽しいのは、加工されてないからかな。見た目のバリエーションが豊かというか。だからついつい余計なものまで買いたくなっちゃうんだよなぁ。 もう一つ、忘れてはならないのが「翌朝の朝食が充実」すること。前述の買い出しで「少ないよりは多い方がいいでしょ」とばかりに買い込んだ結果、いくつかの食材が余る。持って帰ってもらうことも多いけど、生モノなんかは翌朝我が家で消費することになるわけで、これがホストファミリーの役得と言うか、楽しいわけです。 片づいた部屋で豪華な食材で朝食。うーん、素晴らしい。 今回は余った手巻きの具(中トロ、縁側、甘エビ、鰤)をヅケにして酢飯に載せる。おかずは丸武の卵焼きとキムチ&納豆、海老フライ、冬野菜のピクルスと明太子。汁物は茗荷と分葱(手巻きの香味用)の味噌汁。美味い! 食後はShoクンの奥様が作ってきてくれたクッキーで珈琲をいただく。これも美味い! 気の置けない友人家族との自宅飲み会、今後も続けていきたい。皆、遠いところありがとう!!(これを機会に皆の近くに引っ越すかな?) #
by cyberoptic
| 2006-12-18 12:16
| イベント
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